ADHDって昔は少なかったの?

ADHDって昔は少なかったの?

ADHDにしても、ASD(自閉症スペクトラム障害)にしても、

「昔はいなかったじゃないですか?」

そんな質問を受けることがあります。年配の方からが多いです。

 

でも私はそんな印象は無いんです。

 

確かに「診断数」は右肩上がりに増えていますが、それは多くの研究が示してる通り、医者も社会も「気づける」ようになったからであって、とここの話はまた次の機会に譲るとして…。

 

昔から多かったという印象を証明するとすれば、成人でも現在のADHD診断基準で調査すれば、その頻度が子どもと変わらないレベルであることを示せばいいわけです。

2012年にオランダのグループが発表した研究が興味深くて、60歳以上の1494人の年配者を対象にした調査で、ADHDの頻度は2.8%だったそうです(Michielsen M et al. Prevalence of attention-deficit hyperactivity disorder in older adults in The Netherlands. Br J Psychiatry. 2012)。

研究による差はありますが、ADHDの子どもの頻度が大体4-5%です。大人になるに従って診断基準に達する人が減っていくことを考えれば、この2.8%はかなり大きな数字ですし、しかも男女差が無いんですよ。

 

教科書的にはADHDは男子に多いとされますが、私の外来でも受診されるADHDの方に男女差は感じませんし、実感と合う気がします。

 

そんなわけで、私としては、「昔はいなかったじゃないですか?」の答えとしては、

「昔は気づけていなかっただけですよ」

ということになります。

環境の影響はないの?といったご意見についてはまたいずれ。