自分を知り、自分を変えていく

認知機能トレーニングプログラム(CTP)

認知機能とは

人のこころをつくる基盤の1つが、脳の持つ認知機能です。
認知は、「外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程」のことを言い、それが注意集中・記憶・判断・思考・言語のような形で様々な機能を発揮すること全体の総称が認知機能です。
不適応な状態や精神疾患ではその認知機能が低下したり、変化した形で働くことが知られています。

不適応な行動の背景に関わっている認知機能として、セットシフティング(認知の柔軟性)と、セントラルコヒーレンス(全体統合性)という概念が注目されています。

例えば自閉症スペクトラムの特性を考えると次のように当てはめられます。

特定の繰り返される行動パターンや習慣へのこだわりがみられる= セットシフティングの弱さ
細部にばかり注目してしまい、周りが見えづらい=セントラルコヒーレンスの弱さ

セントラル・コヒーレンス(全体統合性)を評価する検査では、例えばReyの複雑図形と言われるテストをすることがあります。左にある図形(下図A)を真ん中の図(下図B)のように模写します。下図Cは、あるASD診断の方が描いた模写ですが、その描き方にセントラル・コヒーレンスの弱さが現れ、全体像の把握が苦手で、部分にばかり注意が向いてしまっている傾向が読み取れます。

認知機能トレーニングプログラム(CTP)とは

認知機能トレーニングプログラム(CTP:Cognitive Traning Program)では生活上に不便や障害を来たす2つの特性面(セットシフティングの弱さ・セントラルコヒーレンスの弱さ)に対して生活を楽にしていくためのトレーニングを行います。

CTPは1回(セッションといいます)50-60分で全6回のプログラムです。1回のセッションで1-2個の課題を行います。課題はゲーム感覚でできる簡単なものになっていて、答えに正解不正解はありません。どのような方略で課題をこなしたのかという振り返りを重視します。
そこで自分の思考プロセス(思考のくせ)に気づき、別の考え方や方略はないかを治療者とともに検討します。新たに発見した別の考え方や方略を取り入れ、日常生活で繰り返し実践していきます。

CTPは、多くのカウンセリングによる治療とは異なり、行動上の問題(困りごと)に直接焦点を当てずに、認知機能に焦点を当てた簡単な課題を行うため、受ける人の負担が少ないことも特徴です。心理士と楽しく会話をしながら、相談者が抱える苦手な認知機能のトレーニングを行います。

参考
認知機能トレーニングプログラム(CTP)について-ライデック公式ブログ

セッションの例

例えば、「幾何学図形の課題」というセッションがあります。その中の課題に、図に示したように、一方が見て把握している幾何学図形を、それを見ていない人に伝えて書いてもらうというものがあります。伝える側になると、こんな単純な図形でさえ、相手にわかってもらう伝え方の難しさに気づきます。一方、受け取る側も、相手の言葉の微妙なニュアンスに気づく必要があり、何が本質かを見極めなければいけません。そこにセントラル・コヒーレンス、つまり全体統合性の強さ/弱さの影響が出てきます。

「変えることができなかった自分を変えられ、不安の解消と自信に繋がった」―ある患者さんの言葉です。こういった課題を通じて自分の認知能力、世の中や人の言葉の捉え方のくせに気づき、そのくせを自覚しながら変えていく作業をしていくと、今よりも適応的な考え方や行動を身につけることができるのです。

尚、我々のプログラムは、英ロンドン大学のKate Tchanturia博士考案の認知機能改善療法をもとに、改変したもので、千葉大学附属病院認知行動療法センターでも採用されています。

お申込み

認知機能トレーニングプログラムは原則月曜日のみのプログラムです。
認知機能トレーニングプログラムをご希望される方はお問合せフォームまたはメールにてご連絡下さい。
info@tridc.co.jpからのメールを受信できるように設定をお願いします。

お支払いについて

1回 約60分 8,000円(+税) お支払い方法は現金、各種クレジットカード、PayPayからお選びいただけます。
※原則6回のプログラムです。